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「Z世代は本を読まない」って、ほんとに悪いこと?——個人事業主のための信用のつくり方

2026.07.09

「Z世代は本を読まない」って、よく言われますよね。

これを聞いて「最近の若い人は知的じゃなくなったんだなあ」と受け取る人も多いと思います。私も最初はそっち寄りでした。でも、あるYouTubeチャンネルで語られていた話を聞いて、見方がガラッと変わったんです。

その話、ざっくり言うとこうです。

本や新聞、雑誌が避けられているのは、中身に興味がないからじゃない。「ながらができないメディア」だから。

本って、読んでいる間は本しか読めないんですよ。家事をしながらは読めないし、歩きながらも読めない。両手と目と頭を全部持っていかれる。

一方で動画は、家事をしながらでも、移動しながらでも「聞き流す」ことができる。だから選ばれている。それだけの話。

「でも倍速で見るのはどうなの?雑じゃない?」と思うかもしれませんが、よく考えたら、私たちが本を斜め読みしたり、目次だけ見て気になる章だけ読んだりするのと、やってることは同じなんですよね。倍速視聴=雑、斜め読み=知的、というのは、ちょっとフェアじゃない。

つまり、変わったのは「知性への欲求」じゃなくて「情報の取り入れ方」だけ。

……で、ここからが本題です。この視点を持つと、私たち個人事業主やフリーランスの情報発信、集客、信頼づくりについて、見えてくるものがずいぶん変わってきます。今日はその話を、順番にほどいていきますね。


「本を読む=偉い」って、誰が決めたんだろう

そもそもなんですけど、「本を読むことは素晴らしい」という価値観って、誰が広めたんでしょう。

答えはシンプルで、メディアを作ってきた側の人たちです。テレビや新聞や雑誌を作ってきた人たちは、本を読んで育ってきた層。だから「本を読むのはいいことだ」と自然に発信してきた。もっと言えば、昔は情報発信の手段が本くらいしかなかった時代が長かった、というだけの話でもあります。

誤解しないでほしいんですが、読書が悪いと言いたいわけではまったくないです。私も本は好きです。

ただ、「本というフォーマット」と「深い思考」は、本来イコールじゃない。深さへの欲求って、短い動画にも、一枚の写真にも、宿せるんですよ。

これ、個人事業主の発信にそのまま当てはまると思いませんか?

「長文のブログを書かなきゃ想いは伝わらない」——そんなことはないんです。フォーマットはあくまで。ブランドの世界観や事業の哲学、つまり中身の深さは、器を選ばない。ここ、あとで効いてくるので覚えておいてください。


ホームページは「集客の道具」から「信頼の証明書」へ

もうひとつ、Webデザインの仕事をしながら最近ずっと考えていることがあります。ホームページの役割、変わってきてない?という話です。

だって、いまやInstagramやXのプロフィールひとつで、事業の紹介ってかなりのところまで完結しちゃうじゃないですか。ハイライトがあって、ピン留めがあって、リンクまとめがあって。SNS側がどんどん「整理して見せる機能」を取り込んでいる。実際、SNS集客だけで成立しているビジネスも増えました。この流れは、たぶんもっと進みます。

「じゃあ、ホームページってもう要らなくない?」

……と思いますよね。でも私は、要らなくなるとは思っていません。役割が変わるだけだと思っています。

どういうことか。

「アクセスを集めるための機能」としてのホームページは、たしかに縮小していきます。でもその代わりに、「この事業はちゃんとしている」という信頼の証明書としての役割が、むしろ純化して残るんです。

想像してみてください。法人が数百万円の発注をするとき、相手のSNSプロフィールだけ見て決めるでしょうか?決めないですよね。「会社名で検索して、ちゃんとしたサイトが出てくるか」を、無意識に確認しています。士業のような信頼が命の業種、海外からのお客様を迎えるインバウンド系の宿泊施設も同じ。SNSのプラットフォームに依存しない「公式サイト」という顔が、こういう場面ではこれからも静かに効き続けます。

例えるなら、こうです。

家に本棚があるだけで、なんとなく知的に見える。それと同じで、独自ドメインのきちんとしたホームページがあるだけで、「ちゃんとしてそう」に見える。

機能じゃなくて、佇まいが仕事をする。ブランディングの観点から見ると、ホームページはそういう存在になっていくんだと思います。


SEO対策はもう要らない?——いや、中身が入れ替わるだけ

「ホームページが証明書になるなら、もう検索もされないし、SEO対策って要らなくない?」

これもよく聞かれるんですが、白黒では答えられません。というのも、弱くなるSEOと、逆に大事になるSEOがあるからです。

まず、弱くなるほう。

キーワードを狙ってブログ記事を量産して、Google検索1位からのアクセスで集客する——このタイプのSEOは、確かにこれから厳しくなります。理由は単純で、検索の入口そのものが、GoogleからSNS検索やAI検索(ChatGPTやAI Overviewなど)に移りつつあるから。若い世代は、何かを調べるとき最初からInstagramやTikTokで検索します。Googleで検索しても、AIの要約だけ読んでリンクをクリックしない人も増えました。「記事をたくさん書いてアクセスを稼ぐ」というゲームのリターンは、どんどん下がっていく。

じゃあ、大事になるほうは何か。ふたつあります。

ひとつめは、指名検索への備え。

依頼を検討している人が、あなたの名前や屋号で検索したとき、きちんとしたホームページと発信が出てくるか。これです。有名になる必要はないんです。「検索されたときに、ちゃんとした姿で出てくること」。発注前の信用確認の、最後の関門。ここはこれからも機能し続けます。

ふたつめは、AIに引用される発信かどうか。

これからは、AIに「◯◯が得意な人いる?」と聞く人が増えます。そのときに、情報源としてあなたのコンテンツが拾われるか。最近ではLLMOとかAIO(AI検索最適化)なんて呼ばれ始めている領域ですが、これ、小手先のテクニックでどうにかなるものじゃありません。固有の視点を持った、独自の情報を発信し続けているか。結局そこで決まります。

まとめると、こう変わるんです。

「アクセスを集めるためのSEO」から、「信用を確認されたときに、ちゃんと応えられるSEO」へ。

Web集客のルールが、静かに入れ替わっている、ということです。


で、結論。信用は「一点」では作れない

ここまでの話、実は全部ひとつの結論につながっています。

信用は、一点では作れない。複数の点で補い合うものだ、ということです。

考えてみてください。あなたが誰かに仕事を頼むとき、何を見ますか?

SNSでの雰囲気。ホームページの佇まい。検索したときの見え方。口コミやレビュー。実際に話したときの印象。

……たぶん、全部ちょっとずつ見てますよね。どれかひとつで「よし、決めた!」とはならない。でも、バラバラの角度から見た証拠が、ぜんぶ同じ方向を指していたとき、「この人は大丈夫そうだ」という判断が生まれる。

依頼する側って、無意識にこれをやっているんです。

だから、完璧なホームページ、完璧なSNSアカウントを一点集中で作ろうとするのは、実はかえって脆い。それよりも、粗くてもいいから複数の接点を持って、そのすべてが同じ像を指すように整える。あなたが何を大切にしていて、何を売っている人なのか。それがどの角度から見てもブレていないこと。

これが、これからの個人事業主の信頼構築の基本形だと、私は考えています。

ちなみに私自身も、このブログの内容を動画にしたり、文章を短くしてインスタグラムの写真投稿に合わせたりしようかと考えています。「ながら」でも見られるように。まさにこの記事で書いたことの実践ですね。


世代で作り変えなくていい。角度を「足していく」だけ

最後に、冒頭の世代の話に戻ります。

40〜50代は、ホームページやGoogle検索を重めに見ます。Z世代は、SNSやAIの回答を重めに見ます。つまり、確かめる「角度」の優先順位が世代で違うだけなんです。複数の点を重ね合わせて信用を判断する、という構造そのものは、世代を超えて同じ。

ここ、すごく大事なポイントです。

いつか経済の中心がZ世代に入れ替わるからといって、Web戦略をぜんぶ作り変える必要はない、ということだから。

いまある接点はそのまま保つ。そのうえで、新しく見られやすくなった角度の接点を、あとから足していく。ひとつの世代、ひとつの媒体に全振りしない設計にしておく。それだけで、経済の中心が誰に移ろうと、そのときの「見られやすい角度」に自然と対応できます。変化の激しい時代の個人事業主にとって、いちばん現実的な備えって、これなんじゃないかと思うんです。

フォーマットは、これからも変わり続けます。でも、あなたの事業の中身——哲学や世界観——は、器を選びません。

器は複数持つ。中身の強度で勝負する。

個人事業主にできるブランディングと信用づくりは、結局そこに尽きるんじゃないでしょうか。

逆に言えば——器がどれだけ変わっても、ブランディングという「個性の軸」だけは、ずっと変わらないのだと思います。


あなたのブランドの「軸」を、一緒に言語化しませんか

Nariaは、個人事業主・小規模事業者のためのWebデザイン&コピーライティングスタジオです。

ホームページを作る前に、まず「あなたの事業がどう見られたいか」「何を伝えるべきか」を整理するところから始めます。デザインや文章は、そのあと。だから、サイトが完成したとき、「なんかしっくりこない」「自分らしくない」ということが起きにくい。

複数の接点をバラバラに作っても、軸がブレていたら信用にはなりません。Nariaが大切にしているのは、その軸をちゃんと立てること。ホームページ、SNS発信、コピー——すべてが同じ方向を向いている状態をつくること、です。

「自分のブランドをちゃんと形にしたい」と思っている方、まずは気軽にご相談ください。

▶ お問い合わせ・ご相談はこちら naria.me/contact

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Bio

石川県生まれ、大阪在住。
有名旅館勤務・海外留学・商社勤務を経て、2025年よりフリーランスとして独立。感性と構造、美しさと知性の両立を軸に、個人事業主・中小企業のブランドサイト・コーポレートサイトを中心に制作。デザインだけでなく、コピーライティングから導線設計まで一貫して担当している。

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